地域の子

毎日毎日、朝と午後、保育所にハルトを連れて歩いて行っている。

最近は暖かくなったので、お迎えに行くと園庭で子ども達が走り回っていることが多い。

迎えに行くと「ハルトのお父さんだー」と囲まれて、一緒に連れて行く夏樹をのぞきこんだり、「ハルトのお父さん、あのねー」といろいろなことを教えてくれることも多い。

ハルトと同じ年頃の子ども達、男の子も女の子も無邪気で屈託のない笑顔がとてもカワイイし、顔を覚えてくれて「ハルトのお父さん、ハルトのお父さん」と呼ばれるのも悪い気はしない。


先生や他のお迎えに来ているお母さんたちと知り合いになるのは予想していたけれど、子ども達ともこんなにも親しくなるとは予想できなかったなー。

この子たちは、だいたい地元の農家や、近くに住む人の子どもたちだけど、その多くは持ち家で、この地に根付いて生きている人たちの子ども達。

ということは、この子たちって今後少なくとも中学生卒業くらいまでは、たぶんこうして顔を合わせながら生きていく、ということだ。
いま2歳とか3歳とかの子供たちが、自分の子と共に大きくなっていく。


ハルトと同級生の子たちと
「ハルトのお父さん、これダイヤモンド~」
「おおっ、すごいねえ、どこで見つけたの?」
「えーとねー、砂場で見つけたの。ハルトのお父さんにあげる」
「おっ、ありがとう~」
「ハルトのお父さん大好き♪こんどわたしのおうちに来てね」

なんてやりとりしながら遊ぶのはとても楽しい。

いろいろな子がいるけれど、みんな一緒に大きくなって、どんな小学生になるのかなあ。
複式学級で1学年数人という小規模小学校だから、きっとみんな同じクラスだね。
そしてみんな、どんな中学生になるのかなあ。

どんな道を歩いて、どんな大人になるんだろう。


…子育ての楽しみのひとつは、子供が大きくなる過程を見ることが出来ること。

でもそれだけじゃなくて、他の子の成長、友人の子や、この保育所の子たちのように、よく知っている子供たちの成長もとても楽しみ…ハルトが保育所に毎日行くようになって、他の子どもたちと毎日顔を合わせて、やっとそれに気づいた。

少人数だから田舎だから、というのも少しはあるのかもしれないけれど、きっと他の親御さんたちも同じように思っているに違いない。

「地域で子どもを育てる」とよく言うけれど、ひとつにはこんな意味もあるのかなー。

そんなふうに子ども達の笑顔を見ながら思った、そんな保育所の送り迎えだ。