テレビモード

少し前、リビングにテレビが欲しいなー、と考えていたことがあった。

もともとテレビを見る習慣がまったく無い我が家だけど、たまにはニュースでも見たいような気もするし、ハルトも保育所でアンパンマンとか覚えてきて「アンパンマン♪」なんて言っている。
でもアニメは見たことが無く、たまには見てみたらどう?

幼児向けビデオもいろいろあるみたいだし、見せたい番組だけ一緒に楽しく見るのはいいはず。

あんまり関係ないけどうちにも地デジが届くようになったし、ハルトや夏樹を撮ったビデオを編集したものをリビングで見たい気もするし、ここ最近は大きめのテレビも安くなって買いやすくなってきた。

我ら夫婦は流行モノとか流行言葉とかまったく無知で、無知すぎて恥ずかしいくらい、というのもある。


でも本当の理由は、ちょっとだけでもテレビに子守をしてもらいたい…と思ったこと。

テレビ子守、それがいいか悪いか、たぶん良くはないと思うけれど、しかし実際問題、ハルトの相手をしながらたとえば夕食の支度をするのは至難の業だ。

ハルトって未だにいつもかまってもらわないと気が済まない2歳児で、「だっこー」「ブランコやりたい!(一緒に遊んで欲しい)」「絵描く~(一緒に描いて)」「電車で遊ぶ!(つきあって)」などなど、常に親の手を必要とする子ども。

ひとり遊びって昔からあんまりしなくて、後追いばっかりというか、なんだかいつも親に張り付いていて、なかなか他のことができない。


最近は夏樹も一緒に見る必要があり、その夏樹はハイハイが始まって自由に動き回るものだから、「とーちゃん!とーちゃん!とーちゃん!」とコアラのように張り付くハルト、好き勝手にそこら中を動き回っていろいろなものを口に入れる夏樹、夏樹に攻撃をしかけるハルトを制止したり、なんだかふたりの相手をするだけでいっぱいいっぱい。
トイレに行くだけでも一苦労。

午後4時に保育所から帰ってくるまでに買い物やある程度の下ごしらえや支度は済ませるとしても、午後6時前後に20分程度でいいから、ハルトから手が離れる時間が欲しい、、というのが家事担当者としての本音。

もしテレビがあったら、夕方の子ども向け番組でも適当に見させておけば(あるのかどうか知らないけど)、20分程度でも手が離れてご飯の支度くらいできるのでは…?という思惑だ。


しかしながら最近ハルトを友人宅に連れていったり、病院の待合室その他テレビのあるところに連れて行ってハルトの様子を見ていて気づいたこと。

それは、ハルトはテレビを見ない子どもだ、ということ。


他の子はテレビに見入っているのに、ハルトは好き勝手に歩き回ったり、ジャンプしたり、モノを投げたりして、テレビはほとんど見ていない様子。

場面が変わったり、CMなどをチラッと横目で見ていることはあるみたいだけど、3分とか続けてちゃんと「見ている」ことはない。

ハードウェアとしてのテレビ、たとえばスイッチとかは好きで、ボタンを押して電源をいじったり、チャンネルなどをポチポチ変えるのは大好きだけど、肝心のコンテンツには興味がないらしい。


そういえば夏樹の出産時、この「手がかかりすぎる2歳児」対策として、ポータブルDVDプレイヤーと、トーマスとか乗り物なんとかとか、いろいろなソフトを買ったのだけど、結局どれもほとんど見ることが無く、そのままお蔵入り…そんなこともあった。

他の子の様子を見ていると、大半の子はポカンと口をあけたりしつつもテレビを見ているし、よく観察すると夏樹だってテレビのほうを見ている。

ほとんどの子どもには「テレビモード」が付いているようだけど、ハルトには付いていないらしい。

…なんてこったい。

これじゃテレビ買っても意味がないかも。
せっかく機種も決まっていたのに、設置方法も検討していたのに、テレビ購入計画はあえなく中止。

やっぱり「うわー、こらー」「あーだめだめ」なんてやりながらなんとかご飯の支度をする日々はまだしばらく続くらしい。

どうもハルトにはこの手の「モード」があまりついていない感じがする。
「買い物に行ってカートに乗るモード」もついていないし「図書館で静かにするモード」もない。もちろん「おとなしくご飯を食べるモード」も無い。

まあ2歳男児なんてそんなもんとも思うけど、せめてテレビモードくらい付いていてもいいのなー、と思う日々だ。