春の予感

今年に入って、十勝はとても寒い日が続いている。
なんでも1月は28日間連続真冬日、詳しく書くと12月31日から1月27日まで、一度もプラスの気温にならず、この連続真冬日記録は20年ぶりだったそう。

やっぱりマイナス5度くらいよりマイナス15度くらいのほうがずっと寒い。
鼻の中がパリパリになるし、ほっぺたが張って痛い。

マイナス20度以下になると、息を吸っただけで咳がでるくらいで、いくら着込んでも本当に寒く、もう暴力的な、別格級の寒さだ。

一方、寒い寒いと言ってもいいこともある。

寒い日というのはここ十勝では「快晴の日」だ。
晴れていると放射冷却で冷え込むのが十勝。
つまりとても寒い日というのは、気持ちよく晴れていている日。
寒い日が続いた、というのは毎日毎日快晴だ、ということ。

たしかに1月は24日にまとまった雪が降った以外、30日間は文字通り毎日晴れていた。

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勝手に「とかちブルー」と名付けるけど、吸い込まれそうなほど蒼い青空と、真っ白の大地、どこまでも広がる一面の銀世界を見ていると、こんな厳冬期も悪くないな…と思ってしまう。

ハルトの保育所への送り迎えはできるだけ徒歩で…と思っているので、どんなに寒くても基本的に歩いて行っているのだけど、これは意外に日々の温度変化や空気の感じがわかっていいものだ。

今日も寒いなー、ハルト今日も寒いねー、なんていつも同じことを言って歩いているのだけど、今日は少し寒さが和らいだ気がして、帽子をかぶらずに保育所までの道のりを歩いた。

少しずつだけど日も長くなってきて、心なしか太陽の光もいくらかは強くなってきた気がする。
わずかだけど春の訪れが遠くにやってきた感じがする。


北国の春は本当に素敵だ。
緑が一斉に芽吹き、すべての花がいっぺんに咲き、朝と夕方で違いが分かるくらい植物がぐんぐんと成長する。

そんな命の再生の季節、それが春。

もうすぐそんな季節がやってくると思うと、こんな長く寒い冬もそれほど悪くないなぁ…なんて思ってしまうのは、自分が北海道育ちでは無いからだろうか。


我が家の1階には「仕事部屋」というのがあって、その半分は自分のスペース。
幅2メートルはある大きな机にパソコンとモニタが2台、シュフにしては我ながら贅沢な書斎?だけど、いちばん贅沢だと思うのは窓からの眺め。

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窓からの風景はこんな感じで、木々の向こうには保育所。
遊びにやってくる鳥を眺めたり、空を眺めたり。

家族と一緒に毎日過ごし、窓から見える移りゆく風景のひとつひとつを感じながら春を待つ…そんな時間は人生のたからもの。