子育て講演

先月、ある会社経営者の集まりの代表をやっている人に、なにか自分の経験をもとに講演してくれないか?と依頼をうけた。

いろいろ考えたあげく、選んだテーマは「子育てとライフワークバランス」。

今日はその講演の本番の日。

しばらく前から昨日まで、話の内容をまとめてレジュメを作っていたのだけど、やはり会社経営者のみが話を聞くということなので、ある程度は会社経営者向けにしたい。

もちろん年齢的にも自分よりも上の方ばかりだし、会社経営者自身は育休をとる可能性は低いと思うので、会社側からみた育児休業のメリットを挙げたい…と思っていたのだけれど、これがなかなか難しい。

従業員のモチベーション向上や、優秀な人材の確保、それに助成金制度などを挙げたけれど、やっぱり「会社にとってもメリットは多い」と主張できるほどかどうか。

育休の制度自体は、子どもを育てるための社会インフラとしては重要で、少子化対策などには有効性もあり、社会全体、広い意味では大事なことだけれど、個々の中小企業にとっては…?と考えるとやっぱりなかなか難しい。

そんなわけで臨んだ今日の講演は、自分の男性育児休業取得経験にまつわる話を軸に、そんな会社側から見た育児休業のメリットデメリットや自分の子育ての話をいろいろ。

地方の中小企業の実際の状況を考えると、男性の育休というのは話が飛躍しすぎている感じもしたので、まずは女性社員が安心して育休をとれる環境を作らないとダメ…という話をしたのだけれど、伝わっただろうか。

そして育休をとったら万事OK、育休の制度を作ったら万事OKではなく、育児は20年以上かかって子どもをひとりの社会人に育てる長い事業だから、まわりの理解やライフワークバランスが重要なこと。子どもは母親の子ではなく、夫婦の子であり、そして社会の子であること。

そのなかで現在は核家族化が進んで従来の育児の方法が通用しなくなっており、いまこそ父親である夫たちの広い意味でのサポートが絶対に必要、など日々感じていることを話した。

調子に乗っていろいろ喋ってしまい質疑応答の時間がなくなってしまい、みなさんがどう感じてどんな疑問を持ったのかはわからなかったけれど、予想通りというか、やっぱりというか、感触としては「…ふーん」という印象。
やっぱり会社経営者、それもほとんどが男性の社長さんたちにとっては、従業員、特に男性が「育休」なんてあんまり面白くない話題なんだろうな…なんて感じたりもした。

それでも、やっぱり男性も育児に参加しないといけないし、もちろん女性にとって働きやすい会社なり社会は必要で、そのためには会社を経営しているみなさんの理解がどうしても必要…というメッセージは発信したかったし、伝わった自信は無いけれど、でも一方的に発信することはできたと思う。

参加してくれたのは20名ほど、全員スーツ姿で真剣に話を聞いてくれて、話をしているこちらもばっちりスーツを着て緊張したけれど、でもなんとか45分間話をすることができた。

専業シュフが会社経営者に意見を述べることなんてめったにできないと思うし、そもそもちゃんとした講演会で壇上に立ったのなんか初めてなので、いろいろな意味でとても良い経験になった。


それにしても、少しずつでもいろいろな意味で子育てしやすい社会になったらいいなー、とは改めて心からそう思った講演会でした。