同居体験

ちょっと前の話になるけれど、自分の母親がひとりで北海道にやってきた。

別の旅行の最後にちょっと顔を見に…ということで、たった半日の滞在。
帯広で待ち合わせをして、久しぶりに孫の顔を見て、とかち帯広空港からの最終便で帰る…ということで、空港まで送っていったものの、機材故障だかなんだかで、急に帰れなくなった。

もともと「その便にしか乗れない」という航空券だったのが「いつでも乗れる航空券」に変わり、急に我が家に滞在することに。

おぉそれはよかった…と、短い同居生活がスタート。
ところが急に決まったことだから、妻は普通に仕事があるし、自分は子どもの面倒と家事といういつもの仕事があるので、日常通りの生活。

母は「なにか手伝いたい」という気持ちで、やる気は満々なのだけど、はっきりいって家事は自分が全部やっているので特に手伝って欲しいところはない。

3人育てたベテランだから…とハルトの面倒を見てもらおうとしたものの、30年ぶりのせいなのか、還暦過ぎた身体には暴れん坊1歳児は手に負えないのか、ちょっと危っかしく、見ていられない感じ。

そして母は母で、息子のシュフぶりがとても気になるらしく、いろいろとご意見。

…大根の煮物の面取りした切れっ端は捨てちゃだめ!みそ汁に入れるのよ。
コーヒーのカスはゴミにしないで、とっておくと使えるのよ…。

部屋の換気扇はこまめに消さないと…
食器の収納は…洗濯物の干し方はそうじゃなくって…

夜、洗面所のほうから怪しげな音がするのでびっくりして見に行ったら、風呂のスノコをゴシゴシとこすっていたこともあった。そういうのはやめてほしい…。

ひとつひとつはとても細かいことなのだけど、その細かさ故、言われる方もとても気になる。
ここは我らの家だし、うちにはうちのルールがある。

…結局2泊して帰っていったけれど、正直結構疲れた…。

家事のやり方の違いなんて小さい問題で、本当にたいしたことじゃないのに、意外なほど意見の違いが気になり、言い争いをしたわけでもないのに、この疲れっぷりはなんだろう。

自分のかーちゃんなのになぁ。
それとも自分の実の親だからこそ、なのだろうか。

母は母で、ハルトの相手は思うようにできないし、IHヒーターとか食器洗い器とかは「?」だし、運転免許がなくて家から出られないし、「手伝いたい」という気持ちが空回りしていた模様。

なにしろ誰かと同居する、というのはとても困難なことだということが、たった3日間ですごくよくわかってしまった。

我が家は実家が離れているので、子どもを育てる上で実家が近くにあったり、同居したりしていたら楽だったかなぁ…なんて思っていたけれど、実際はこういう意味では大変だったかも。

まあ今回は3日間初孫の顔をいっぱい見られて喜んでいたから良かったけれど。