星空を見上げて

街に出て、帰りがちょっと遅くなった。
真っ暗な道を運転していると、星が運転席からでも見える。
今日は星がきれいな夜らしい。

そうだ、ちょっと星を見てみよう。

…車を路肩に止め、エンジンを止める。
ヘッドライトを消すと、一気に静寂と暗闇に包まれる。

ハルトを連れて外に出る。

東の空から北の空にかけて、大きな大きな天の川。
サソリ座のアンタレスの赤い光と、明るさを増した木星が静かに輝いている。
こんな満天の星空を見るのは久しぶり。

あれは天の川…胸に抱いた息子に話しかける。
彼は小さな手を空にのばして、きらきら輝く星たちの正体を確かめようとしている。

星空って宇宙の姿だよなー。
普段は意識しないけど、こうやって星を見ていると、自分たちが地球という星の上に生きていて、地球というのは星の中の一つ、ということを改めて感じずにはいられない。
これは宇宙の姿なんだぜ…そんなことを息子に話しながら、ゆっくりと星空を眺めていると、なぜか満ち足りた気持ちになる。

静かな大地は眠りについて、遠くから鳥の声が聞こえるのみ。
自分の身の回りにはいろいろなことが起こるけれど、星はいつも変わらずに、こうして静かにまたたいている。

…こんなふうに星空を眺めるのが好きだ。