今年初めての雪が降った。
地元の人にはなかなか理解してもらえないけれど、雪が降る…と聞くとなんとなくワクワクしてしまう。

そう、自分は雪が好き。
雪そのものというより、雪が降っている情景が好き…というほうが正確かもしれない。

関東地方に育ったから、雪は年に数回。
まして雪が積もることなんてまれだったから、本当に雪が降るのが楽しみで、雪だるまをつくったり、兄弟と雪合戦をしたりと、雪にまつわる思い出は楽しいものばかり。
朝起きて雨戸を開けると、真っ青な空に見たことの無いような白い世界。
あわてて外に飛び出して、クタクタになるまでひたすらはしゃぎ回ったのはいったい何歳の頃の思い出なんだろう。

もちろん社会人になってからは、バスやJRが止まったりして大変なこともあったけれど、でもやっぱり「雪」という言葉には非日常的な空気を感じてしまう。

北海道に来てから、雪がいっぱい積もって車を出すのに苦労したりすることもあるし、あまりの量にうんざりすることもあるけれど、でもそんなときでもやっぱり心のどこかで「雪は楽しい」という気持ちが残っていて、やっぱりネイティブ北海道人には永遠になれないんだろうなぁ…なんて思ったりもする。

だからこの季節もそれほど冬が来るのが嫌じゃないし、いっそドカン!と降ればこのソワソワした気持ちが落ち着くのになあ…そんなふうに思う。

空からはらはらと舞い降りる冬の使者。
真っ白な、真っ白な雪の色。そして、耳が痛くなるほどの静けさ。

今年もまた、そんな冬が楽しみなような、やっぱり冬になるのが怖いような、そんな11月。