中小企業、男性の育児休暇は取得できるか? 休暇の条件編

育児休暇を取りたい…というメールを出したら「話をしに来るように」と言われた話の続き。

さっそく上司と面談して話をしてきた。

法律を調べ、いざとなれば「じゃ辞めますから」と言う心の準備をして、いざ会社へ。

結論としては「取りたいのなら、いいんじゃない?」というような感触。
あらっ?

話をまとめると、以下のような話。

・育児休暇の取得自体は法律上決まっていることなので取っても良い。就業規則にはないけど、後日整備する。
・休業中の会社からの給与は支給なし。ボーナスは日割り計算。時短勤務や週休4日等は制度上不可。
・客先との契約上常駐は解除になるので、復帰後は別の札幌や東京の仕事をやってもらう。


自分にとっての問題は3点目の「復帰後は札幌や東京の仕事」をどう考えるか、だ。

実は自分の会社は本社が東京秋葉原にあり、札幌に支店、さらに札幌支店の一部門として帯広がある。

はっきり言って、人口20万人にも満たない地方都市帯広での仕事はほとんどないのが実態。
従って、札幌や東京の仕事を持ってきて、帯広で仕事を行う…という作業形態が多い。

なので帯広勤務の人の半分弱は、札幌や東京の仕事をやっている。
だから、育児休暇取得に伴って常駐の契約を終了にしたら、彼らと同じように札幌や東京の仕事をすることになる、という話。

ふむふむ、なるほど。


ところが。ところがである。

彼ら、「札幌や東京の仕事をやっている帯広の人」は、札幌や東京への出張が半端なく多く、1週間のほとんどを札幌や東京で過ごす…そんな生活をしているのも事実だったりするし、結局は転勤になってしまった人だって何人かいる。

転勤なんて絶対に受け入れられないし、長期出張も避けたい。
1泊程度の短期の出張だって本当はしたくない。(マイル貯まっていいもんよ♪と言われたけど、そういう問題じゃないのです)


自分は現在、土日は完全に休みな上に、残業もほとんど無い…という恵まれた環境にいる。平日も休みたい時には比較的休める。
けれど、それはあくまでも「今の常駐先だから」という話であり、札幌や東京の仕事だとそうはいかないのはもちろんだ。
東京の平均帰宅時間は24時という話もあり、しかも残業のつかない会社ゆえ、激務になっても給料はまったく変わらない…。

今の常駐先は、もともと仕事の要求度がそれほど高くない、というのもあるけれど、5年間の常駐でシステムを隅々まで知っているため生産性も高くなり、だからこそ残業無しでもなんとかこなせている、という事実。
社内で最も労働時間が短いのも、有休取得率がひとりだけ高いのも、実は他でもない自分だったりする。

今回初めて知ったのだけれど、現在の常駐先からの信頼は厚いらしく、秋以降、現在3名常駐しているSEを1人に減らす…という話があり、その場合は自分を指名で残したい…と客先に言われているそうだ。
自分では不真面目インチキサラリーマンのつもりだったのだけれど、なんだかんだ言っても5年間の常駐経験は重く、あうんの呼吸で常駐先のシステムを作ったり直したりしていて、常駐先としてもやりやすいのかもしれない。


自分の会社側から見ると、また別の構図が見えてくる。
いまの常駐先は単価があまり高くなく、もちろん赤字ではないものの、それほど「儲からない」ところなので、あまり続けてもメリットは少ない。だから、ちょうど担当者が長期休暇取りたい…なんて言ったら、それを理由に引き上げたい…という思惑があるような感じだ。
当然、札幌や東京の仕事のほうが会社としては「儲かる」というわけ。マルチプロジェクトなんてさせられれば万々歳?

つまり、今回の育児休暇を取得…という話は、会社にとってはそれほど悪い話ではなく、むしろ取ってくれて結構、ということのようだ。

そんなわけで、選択肢は3つ。

1.いまの常駐先の待遇の良さが惜しいので、涙をのんで育児休暇取得はやめる

2.復帰後、出張や残業が大きく増えるのを覚悟して育児休暇を取得する

3.その他(退職して専業主夫になる、いっそ常駐先に就職してしまう、会社を立ち上げて自分を派遣する…など)


さあ、どうしよう。

育児休暇については、絶対に取らないとやってられない…という性格のものではない。
さらに「仕事はお金をもらう手段でしかない」という考えの持ち主である自分にとって、いまの常駐先のぬるま湯のような環境はかなり捨てがたい。
今の暮らしのなかで「残業が無い仕事」という部分は非常に大きい。

だが、1を選択したからと言って、今後もずっといまの常駐先に居られて、しかも今と同じ状況であるかどうかはわからない。

妻の仕事が10月以降どんな調子になるのか読めず、また赤ちゃんの手のかかり具合も読めない。
育児休暇は最長で来年5月まで。仮に10月から取得するとしたら半年間。

最長半年間の日々をとるか。それ以降の安泰な日々をとるか。
それとも、なにか別のやり方を模索するか…?