相手は機械だけど…

七夕の今日は、18万キロ乗った車を手放す日。

新婚旅行から帰ってきて買ったこの車、免許を取って始めて買った初めての「自分たちの車」で、納車費用を安くしようとディーラーまで京浜急行に乗って取りに行って、シートにかかったビニールを外し、「ゴン太」なんて名前を付けて、ウキウキとアパートまでドライブして帰ったのが昨日のことのよう。

新婚で新築アパート、そして新車。
まだピカピカのクルマを見て、楽しい生活に胸を躍らせたけれど、本当にこのクルマと過ごした日々は楽しい時間だった。
運転席は自分、助手席は妻の指定席。

近所のダイエーに買い物にいくために…と言って買ったけれど、乗り始めると「クルマで遠くに行く楽しさ」に目覚めてしまい、今は無き5万円のハイウェイカードをいったい何枚使い切ったことか。

よく深夜の横浜にドライブに行ったし、西は名古屋や富山、北は北海道宗谷岬まで、東名・中央道・関越道・東北道、ふたりを乗せていろんなところに行って、北海道との本州の間を何度も往復して、よく船に乗ったクルマだった。
北海道へ移住を果たしたときも、このクルマに荷物を満載して北を目指したっけ。
北海道に来てからも、日勝峠をいったい何回越えたことだろう。

あまり検討しないで買ってしまったけれど、キビキビしていて運転しやすく、窓がでっかくて、燃費もよくて、図体が小さいわりになかが広々。
デザインも好きだったし、色もよかったし、とても気に入っていた。

今年になってちょっと調子が悪かったけれど、でも一度も不具合で止まることもなく、ぶつけたこともなく、これといって故障もなく18万キロ。
洗車もそれほどせず、オイル交換も必要最低限で、クルマには悪いことをしたのかも。

冬の凍結路では安定性が悪くてちょっと怖いクルマだったけど、でも結局冬4回はこのクルマで毎日会社に通ったし、不安定でFFでも、まあなんとかなったのも事実。

納車から今日まで、乗らなかった日のほうがずっと少なかった。
オートマのクセも、ハンドルのクセも、誰よりも自分が一番よく知っている。

capa

そんなコイツとも今日でお別れ。

最後にボディをきれいに洗ってワックスを掛けた。
なんだかまだ新車みたいだね。

できれば鉄屑にならず、どこか中東にでも輸出されたり、なにかの間違いで誰かが乗ってくれたら嬉しいけど、まあそれはかなわない希望かな。

同時に作られた他のクルマに比べて格段に多い距離を走って、クルマはうれしかったのか、辛かったのか。
なんにしろ無事に18万キロおつかれさまでした。

うちに来たときの約束、20万キロ、あるいは10年乗る……もう少しのところで約束が果たせなくてゴメン。

新しい水色のクルマにはあなたと同じ番号のナンバーを付けました。

さようなら。
そして、どうもありがとう。