緑化屋根と特製ハッチ

「四つ葉屋根の家」は、屋根の上に土が載っていて草が生えている…という都合上、ロフトから屋根に簡単に行けるようになっている。
その秘密がこのハッチ。緑化屋根への出入り口だ。
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初期設計案はベランダからハシゴで上がるタイプだったけれど、ハシゴはちょっと怖いし、手に荷物を持っていると厳しいので、もっと気軽に屋上に出たい!という希望を出して実現したのがこれ。

設計担当者と、建具やさん、そして施主の自分が「うーん」と知恵を出し合って作った、完全なオリジナル品。
具体的には設計者が案を出して、施主と細部を詰めて設計図を起こし、それを建具やさんにお願いして作ってもらったもの。
もちろん全員がこんなものを作るのは初めてだったけれど、なかなかいいものができた。

屋根面は屋根と同じガルバリウム鋼板で、中には厚さ20cmの断熱材入り。
ハッチの立ち上がり部分にも断熱材がたっぷりで寒さ知らずだ。

ダンパーは自動車の後ろのドアのものを流用していて、ある程度開けるとあとは自動で開いていく…というちょっと気が利いた仕様になっている。
最初は軽自動車用のものだったけど、ハッチが重すぎて機能せず(数十キロあるみたい)大型車用のものに換えた…なんてエピソードもあったり。

黒いゴムの部分は家の気密を保つためにあって、ハンドルを閉めるとテコの原理でばっちり密閉できるようになっている。

どこから聞きつけてきたんだか、どうしてもこのハッチを見せて欲しい!という知らない人が見学に来たこともあるという代物。

木造の個人住宅で緑化屋根というのもかなり変わりダネだけど、このハッチも「へんてこ装備」のひとつ。
施主の「ハシゴは怖いなぁ」…くらいの一言でこんなものまで作ってしまうのが個人工務店、建築家との家造りのおもしろさだ。

屋根の上でなにをするかというと、夕暮れの空を眺めたり、星を眺めたり。
当初予定では屋根の上でバーベキューをしてみよう、あるいはテントを張ってキャンプしてみよう…なんて話もあったけれど、それはいまのところ実現していない。
楽しそうだけど、さすがにちょっとまわりが気になるかなあ(笑)

とはいえ2階建ての家を見下ろす高さというのもけっこう気持ちいい。
誰かこの屋上でバーベキューやキャンプにチャレンジしてみる方はいませんか?