SOHOと妊娠出産

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妻の仕事はSOHO形態の自営業。
絵を描くのがメインで、その他紙モノのデザインをする、イラストレーター。そんな仕事だ。
クライアントは一般の企業や会社経営者などで、出版社などのほか、開業医、建築業、税理士、経営コンサルタントなんかが多い。一般の方もチラホラ。

事業を進める上で部分的にコンピュータシステムを使う部分があり、その開発や運用、それに経理部門など、一部は夫である自分が手伝うところもちょっとはあるけれど、事業の本体、つまり制作・納品・請求や契約管理、それに顧客対応などは、妻がすべてひとりでこなしている。いまのところスタッフはいない。

月間の案件数は時期によって違うけれど、数十件、ときには100件近くになることもある。
それらを受注し、ひとつひとつ異なる要望を聞き、資料を探し、制作し、校正し、納品し、請求し…と大変な仕事だ。

端から見ると、家から一歩も出ずに家事も夫に任せ、朝から夜中まで一日パソコンに向かっているだけのように見られがちだけど、実際はそんな「バリバリ働く女性」だ。


それで今回の妊娠出産にあたり、少なくとも出産前後は休む必要があるため、休みを設定することにした。

もちろん自営業なので産休の制度などあるはずも無く、単に「休みます」と告知してその期間は仕事をしない、というわけ。
当然、売上げは仕事しないぶんゼロになる。

設備投資や固定費が高い事業ではないから、仕事をしないぶん売上げがなくなるのはいいとしても、社会的責任として、果たして事業者が自分の都合で仕事を休む…というのはどうなのか?と悩んだのも事実。

妻は、仕事をしたい…という気持ちもあるものの、それよりも次があるかわからない子育て、それも赤ちゃんの時期をしっかり見て、子どもと過ごす時間を作りたい…という気持ちを持っている。

そうして夫婦でSOHOをどうするか話し合った。
予定日は6月中旬。そこで5月から9月いっぱいまで5ヶ月間の休業としよう。
期間中いわゆる「いちげんさん」は完全に断ることにし、「お得意さん」は状況によって、納期を相談させてもらったり、その都度都度で個別に対応する…ということに決めた。

この間、夫はサラリーマンを続けながら、今までと同様に家事育児面で可能な限り支援。
今年10月以降についてSOHO妻とサラリーマン夫の仕事配分、家事育児配分については状況を見てまた考えよう。

5ヶ月間の休業、SOHO事業への影響は軽微とはとても言えないけれど、どちらにしても子育て期間中は、妊娠前と同じペースで早朝から深夜まで脇目もふらずに仕事…なんてとても無理だし、それは私たち夫婦が望むことではない。
また全力全開で働きたくなったら、そのときはまた、そのためのやり方があるはず。


先日、仕事を休むことについて、恐る恐る告知を公開した。
主要なお得意さんには年賀状で告知済みとはいえ、月に万単位の閲覧数があるところに告知するのはさすがにちょっと怖い。

ある程度のクレームや苦言を覚悟していたのだけれど、実際にフタを開いてみると、そんなことを言ってくる人はほとんどゼロ。
逆に「大変ですががんばってください」とか、「うちにも子どもがいて……楽しみですね♪」「安産を願っています」のようなメッセージの多いこと多いこと。
なかには、同じSOHO自営業をやっている方で、小さな子どもがいるお客さんから、「SOHOは子育てをしながら仕事もできる幸せな職業です」なんて趣旨の長いメッセージをもらったりして、なんだか暖かい気持ちになった。
継続的に発注してくれるお客さんのなかには、発注のスケジュールを自主的に調整してくれたりする方すらいる。

プロのくせに休むだと!?という人もいるだろうし、そういう人は何も言わずに去っていくのが普通なので、誰も文句を言ってこない=みんなの支持を得られた…なんてことはないけれど、一定の理解が得られたような感触はたしかにある。

SOHOと妊娠出産の関係、我が家はこんな感じでいこうとしている。

--追記
このブログって、ホント字ばっかり。自分で見てもイヤになってしまいます。
というわけで、少しでもテキスト部分の幅が広いデザインに変えてみましたが、はてさて?