子育てって楽しい?

最近の少子化に関連してか、このところ子育てや子供を持つことについての新聞記事などを目にすることが多い。

今朝の日経には育児保険新設への提言があったし、先日の道新ではなにかのアンケートの集計の紹介として、子どもがいない人たちと、いる人たちの意識の差について紹介されていた。

子どもがいると経済的に大変 → 既婚子無しと独身者は「そう思う」が多く、既婚子有は「そう思う」が少ない
子どもがいると楽しい → 既婚子有は「そう思う」が多く、既婚子無しと独身者は「そう思う」が少ない

その他、不妊治療や子どもへの経済的な支援策に対する記事、子育て環境の不備などの記事やコラム。
なかでも特に目立つのは、子どもがいる生活は実は良いものだよ…という内容を含んでいるもの。

これは新しい傾向だと思う。
どうもいままでは「大変そうなところ」だけが目立ち、そうまでして子ども育ててどうするの?という気持ちを持つのも不自然ではないと思うし、そんなに大変ならはじめっからヤメにして、夫婦だけで楽しく生きましょう…という選択をするのも理解できる。


自分たちは結婚して7年間子どもができなかった。
不妊治療の入口をくぐり、子どもが欲しいとは思っていたけれど、でもそれは漠然とした希望であり、例えば子どもが出来ないことを悩んだりはしていなかったし、いなきゃいなくても夫婦二人で楽しく生きていくからいいや、と思っていた。そういう夫婦になれる自信もあった。

もちろん結婚したら子どもを持つべきだ…とは考えていなかったし、それは今も考えていない。

いま結婚してからの7年間を振り返ると、やっぱり「子育てって楽しいのよ」というメッセージは私たちの耳には届いていなかったと思う。

もしかしたら子どもを持つ人たちは、子どものいない私たちに気を遣っていたのかもしれないし、私たち自身がそういうことを見ない・聞かないようにしていたのかもしれない。

子どもまだなの?という見えない声に対する強い反発もたしかにあったと思う。強がってもいたと思う。

また、私たち夫婦が長男+長女という組み合わせだからか、あるいは年齢的なものか、はたまた友人知人が少ないせいか、いままで子どもとふれることなんてほとんどなかったし、実際問題子どもがどういうものなのかよくわからない…というのも事実だ。
だから「子どもがいる時間」というのがイマイチ想像できない。


子どもを育てる喜びってなんだろう。
子どもと過ごす楽しさってなんだろう。

いまの自分たちには、それはまだわからない。

本当のことを言うと、今でもやっぱり心のどこかで「そうはいっても『子育てなんて大変なことばかり…トホホ』という本音があって、でもそれを認めるわけにはいかないから、必要以上に『子育ては楽しい』と言っているのでは?」という気持ちがほんのちょっとだけあるのもまた事実。
「やっぱり大変なのだろう」という予想と、それに対する覚悟。そして、どんな顔で、どんなヤツで、どう成長するのか楽しみにする気持ち。それが同居しているのが今の率直な気持ちだ。

大変か、楽しいか。
きっと両方とも本当なのかもしれない。
どんなことでも楽しいこと・大変なことなんて、0か1かじゃ決して無いし、その両方を併せ持つものが普通なのだろう。


自分がどう思おうと、ゴチャゴチャ訳わからん文章を書こうと、そんなこととは関係なく、あと2ヶ月で私たちにも子どもが生まれる。

1年後、3年後、そして10年後、自分の書いたこの記事を見て、自分自身はどう思うのだろう。
それが知りたくて、子どもが生まれる前の今、子育てが楽しいかどうかについて思うことを書いてみた。