甘い街

十勝人は甘いものが好きらしい。
日常生活のなかでそれをいちばん顕著に感じるのは、茶碗蒸しの味。

自分たちの感覚では、茶碗蒸しというのはギンナンと鶏肉なんかが入っていて、味はダシと醤油がベース。

ところが、帯広で普通に出てくる茶碗蒸しは、なんだかとても甘い。
最初口に入れたとき「え?プリン??」と思ったほど。

そしてなぜか栗(甘露煮)が入っているのが定番のようだ。

帯広駅前にある○森というお店の茶碗蒸しが特に甘い。
このお店、歴史はかなり古いようなので、この味が十勝の標準味付けになっているのでは?と思う。

しかしちゃんとした和食店とか、わりときちんとした旅館に行ったりすると甘くないことが多いのも謎。

食べられないほどキライではないし、甘いのはそれはそれでまあいいけど、しかしやっぱり茶碗蒸しは甘くない方が好きかなぁ。

それから、屋台で見かけるアメリカンドック。
ソーセージに衣をつけて揚げたアレだけど、あれにもなんと砂糖(グラニュー糖)をかけて食べるというのだ。
子どものころからケチャップ、大人になったら+からしという感覚だったので、はじめて見たときは驚いた。

屋台だとケチャップ・からし・砂糖・塩こしょう(?)があって、選べるようになっているのが普通みたい。

ところが、試しに食べてみるとこれはけっこうイケてたりする。

他にもおでんに異様に甘いタレがかかっていたり、スーパーで売っているお総菜の味付けひとつとってもけっこう甘いものが多く、どうも十勝人は甘いモノが好きらしい。そうそう、餃子を食べるとき、タレとして醤油と酢を混ぜるけれど、その酢にすし酢を使っている人を見たこともあった。(実はこれもなかなかいける)

それから先日職場で納豆の食べ方が話題になり、なんと納豆に砂糖を入れて食べる…という人が複数いて非常に驚いた。
これは北海道仕様なのか、あるいは十勝仕様なのか、はたまたその家庭の固有の仕様なのかよくわからないけれど…。
そういえば地元産の納豆ってタレやカラシが付いていないものが多いけれど、まさかみんな砂糖入れているのか……?

他にも甘納豆入りの赤飯とか、不思議なローカル食品がいろいろあって、興味は尽きない。

十勝といえば、農産物としてビート(砂糖大根)の栽培がさかんで、製糖工場もアチコチにある。
それに、六花亭だの柳月だのお菓子メーカーも数が多いような気がする。
それとなにか関係があるのかないのかよくわからない。
けれど、なにしろ十勝は甘い街。