北海道のなかでも特に厳寒の地であるこの土地は、冬は氷点下25度にもなる。
以前2000円で借りていた家はとても寒く、家の中に氷柱ができ、風呂のお湯を落とし忘れると、翌朝には浴槽全体が凍ってしまう…という恐るべき寒さだ。
当然、新築の家には十分な断熱性能と高い気密性が要求される。
もちろん24時間全館暖房が基本。
ここ十勝は住宅の断熱や気密に関しては先駆地だ。
地元の工務店は自主的に勉強会を開き、海外の規格を取り入れた北国ならではの高い性能の住宅作りに取り組んでいる。
たまに正月の帰省などで首都圏を訪れることがあるが、はっきりいって首都圏の家は寒い。
「四つ葉屋根の家」ではぽかぽかの床を裸足で歩き、風呂もトイレも温度差はなく、家の中はTシャツ+パンツなんて格好で十分。冬でもふとんは夏と同じだし、長袖のパジャマを着る必要もない。
しかしここ5年くらいの間に家を建てた関東の知人の家を訪ねると、家の中でフリースを着てこたつに入っていたりして、非常に驚かされる。
床のあまりの冷たさ、廊下やトイレや風呂の寒さは北海道人もびっくりだ。
びっくりなだけなら良いが、たいていは風邪をひいてしまう。
さて、そんな十勝の家の断熱方式は100ミリ程度の充填断熱+付加断熱として外側にさらに断熱するのが一般的。
某外断熱の本なども読んだが、ここ十勝の断熱方式としてはやや役不足な印象だ。
充填断熱では断熱材が腐るカビる…という話もちらほら聞かれるが、それは断熱材の室内側の気密シートの施工が不十分な場合に起こるのであり、気密の重要性が早くから言われてきて実践されてきた十勝ではあまりそういう話は聞かない。グラスウールが危ないなんて話はここでは笑い話だ。
床下断熱か基礎断熱かについては、性能的には基礎断熱>床下断熱、ただしコストは床下断熱のほうが安い…ということらしい。
「四つ葉屋根の家」は工務店のアドバイスで基礎断熱となった。寒冷地ゆえの仕様として、スカート断熱も併用となる。
暖房はどうだろうか。
十勝の最近の家の主な暖房方式はセントラルヒーティングが多く、これは灯油ボイラーで温めた温水を使ってパネルを暖め、その熱で暖かくなる…という方式だ。
またコストが安いFFストーブ方式もそんなに悪い方法ではない。
基礎コンクリートの中に温水を通して基礎そのものを暖める…という工務店もあり、これもなかなか良い。
そんなこんなで自宅の暖房方式を決めかねている頃、秋田の建築家西方氏を訪問する機会に恵まれた。
最近の西方氏の建てる家は、基礎断熱の家の床下基礎部分にFFファンヒーターを設置して床下を暖め、それで1階床を暖め、家全体を暖める…というやりかただった。
韓国などで伝統的に使われているという「オンドル」と仕組み的には同じものだと思う。
実際に訪れたのは冬だったが、どの家もたしかに床がぽかぽかと暖かく、家の中も輻射熱で非常に暖かく快適である。
施工コストはFFファンヒーターのみなので、セントラルヒーティングに比べて格段に安い。
そこで我が家の設計施工を担当する佐藤さんと「この方式で行こう」と意見は一致し、基礎内-1階、1階-2階の熱環境を考慮した設計したうえで採用することになった。
ぶーたーラビット
兼業主夫さん、こんにちは。
私も神奈川に実家があって、冬の関東に遊びに行くことがありますが、本当に寒くてビックリしますね。
いつも泊まるたびに風邪を引いてしまうのでは…と思います。
外を歩く分には寒さを感じることが無いのですが、家の中があんなに寒々としているのに、どうして誰も何とも思わないんでしょう。不思議デス。
家の中でセーターを着たり、フリースを着てるんだから、信じられません。…そういう私は、冬もTシャツ派です(^^;)
兼業主夫
ぶーたーさん、毎度さまです。
ホント本州の家は寒いですよねえ。いったいどうなっているのでしょう?
中間地点の北東北とか函館とかはどうなんだろう。
ここの場合はドアトゥドアの車社会で、外を歩くことは皆無。だから東京に行くと余計に寒く感じます。