農村集落で子育て

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小学生になったハルトは、毎日歩いて学校に行っている。
保育所は親が送り迎えをしていたけれど、小学生になると、自分で学校まで歩いて行き、歩いて帰ってくるのが基本。


たまたまお隣に小学2年生の男の子、お向かいにも小学2年生の女の子がいて、学校に間に合う時間に彼らが家に来てくれて、一緒に子ども達を連れて行ってくれている。

「おはよう~!」って気持ちの良い声で朝来てくれるのうれしいし、学校や親が依頼したわけでもないのに、上級生が下級生を連れて歩いて行ってくれる関係性はとてもステキだ。

こんなふうに子ども達の後ろ姿を見送ると、改めてこの地域の良さを思う。


僕はもともと田舎志向があって、ここに引っ越ししてきた。


当時はもっと誰もいないような田舎、それこそ「大草原の小さな家」みたいなところがいいなー、とずっと思っていたけれど、子どもが産まれて、実はこのくらいの規模が子育てには本当にいい、ということに気づいた。

小さいけれど、小さすぎない集落。


子どもの足で歩いていける範囲に他の子ども達がいて、まるで昔の日本のように子ども達が道路や公園で空の下、自由に遊んでいる。

こんなふうに子どもが安心して外で遊べるのは、車の少なさだったり、子ども達を気にしてくれる大人たちだったり、また駐在所だったり。
そんなさまざまな安心の要因がここにはある。


子ども達の成長にとって「近くに同じくらいの子がいる」というのは、とても大切なことのような気もする。
外で遊ぶのもそうだし、お互いの家で遊んで、他の家のルールを学ぶ。


そしてこの地域には保育所、小学校、中学校があって、子ども達はお互いのことをよく知っている。

中学校の子までもが、我が家の子たちを気にして、一緒に遊んでくれたり、かまってくれたり。
学校は集団生活といえる程度に大きくて、そして魅力的に小さい。


大人達も基本的にみんな顔見知りで、原則としては「知らない人」はいない。
誰もが顔を合わせれば「こんにちは」と声をかけられる良さ。

ハルトがひとりで歩いていれば、みんながそれを静かに見守ってくれているような、そんな雰囲気。


とはいえ、ある程度の規模はあるので、だからといって過干渉ということもない。
もともと本州からの移住者が多い地域ということもあり、よそ者が受け入れられやすい素地もある。

10数年前、学校の存続を目指して山村留学を立ち上げたり、分譲地を作ったり。

子ども達の居場所を作ろう!と有志が立ち上がって私設の学童クラブを作ったり、そんな子ども想いの気持ちや、フロンティア精神のようなものがここにはあるような気がする。


もちろん自然環境だって自慢だ。
札幌ナンバーの車が釣りに来るような、そんな自然環境の良さ。
ちょうどコレを書いている今、キツツキが我が家をドラミングしている。

晴れていればいつも見える天の川、雄大な日高山脈の景色、澄んだ空気。
そして水のおいしさ。
そういえば、水が魅力でこの地にパン屋を出した人もいる。


なんだか地域の宣伝のようになっちゃったけど、なんにしろ、子ども達を育てるにはこんなにいい地域はない。

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…というわけで、小さな子どもがいるみなさん。
ここに移住してきませんか?(笑)