大切な時間

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北海道は移動距離が長く、なにかと長い時間クルマに乗っていることが多い。

特にどこかに行った後の帰り道は、街頭も対向車もない真っ暗の道を何十キロも延々と走る。

車内では子ども達ととりとめのない話。

今日楽しかったこと。
日々不思議に感じている事。
ともだちの話。
仕事の話、世の中の仕組みまで、よりどりみどり。

…僕はそんな「クルマで話をしている時間」が好きだ。

ときどき「うちは車ではDVD!」みたいな話を聞く。

なるほど、それは子どもも退屈しないしいいなー、とそのときは思うけれど、でもよく考えるとそんなもったいないことはできないよね…。

暗い車内では顔が見えない。
だからいつもよりちょっと本音で話せる気がする。

子どもが素直に、子どもらしいことを言うのは、きっと今だけ。
子どもが大人になっていく課程を親として過ごせるのもきっと今だけ。
こうして家族みんなが同じ空間を過ごせる時間は、実はそんなに多くない気がする。

だから僕はこんな時間を大切にしていきたい。

この世に生きる喜びや悲しみ…みたいな壮大な話をしているわけではないけれど。
子ども達にどうしても伝えたい事があるわけでもないけれど。

でもみんなで同じ方向を向いていて、同じ時間を過ごす。
きっと戻ることのできない、そんな私たち家族の大切な時間。

少しずつ大きくなっていく子ども達と一緒に走る、そんな時間。