あけみ先生のこと

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今日はハルトの通う農村保育所の修了式。
5名の子どもたちが保育所を卒業して小学校に入学したり、近所のお友達が別の保育所に移ってしまう予定だったりして、別れの式でもある。

でもいちばん残念な事は、みんなが大好きなあけみ先生(仮称)が今日限りで別の保育所に異動になってしまうこと。


このあけみ先生、誰よりも子どもたちのことが大好きで、そして誰よりも相手の立場や気持ちがわかる人だ。

子ども達といっぱい話をして、親ともいっぱい話をして、みんなから愛されて、みんなのことを愛していて…というそんな人。

年長児の担任で、ハルトの担任でもなんでもないのに、保育所での様子を誰よりも手に取るように伝えてくれたのはあけみ先生だった。


保育所って基本的にただ子どもを預かるだけ…とそんな印象を持っていた自分。

でも本当はそうじゃなくて、子ども達のことを真剣に考えて、どうしたら子ども達が心身ともに健やかに成長できるかをいつも考えて、子どもにいっぱいの愛情を注いで、褒めて励まして、時には叱り、この世に生まれた楽しさや幸せをしっかり子ども自身が感じることができる…そんなことを自然に伝えている場でもある…そんなことを気付かせてくれた先生。

子どもの家での様子はもちろん、いつも親自身のことも気にかけてくれて、親自身が心配なく子どもを育てられる心配りをしてくれていた先生。
子ども達の先生であるとと同時に子育ての先生でもあった。


夏の暑い日の夕方、延々と子育てについて相談してもらったこと。
トラブルが起こると、いつも子どもの気持ちになって物事を考えてくれた先生。

お友達に手を出してしまうハルトのときも、誰よりもハルトの気持ちになって対処を一緒に考えてくれたなー。

いつもしゃがんで子ども達の話を「うんうん」って聞いていて、この人がいれば保育所も子育ても大丈夫!…本当にそう思ったし、これからハルトが大きくなり、夏樹も保育所に入って、またこどもらを見てもらえるのを楽しみにしていたのになー。

いつもムードーメーカーであり、楽しそうに仕事をしている姿が印象的だったなー。
美味しそうにビールを飲む姿も見納めだなあ。

とても話しやすくて、お母さんたちにも大人気で、きっとみんなそれぞれ個人的に頼りにしていたんだろうな。

本当に保育のプロフェッショナルという感じがしたけれど、でもそれ以上にベースになる人としてのやさしさとか、相手の事を思いやる気持ちとか、そういうものがにじみでていた人でした。


うちの庭の雪の下に、ハルトと秋に植えたチューリップの球根がある。

お花が咲いたらあけみ先生にあげようね…そんなふうに言って植えたお花、春になってちゃんと咲いてももうあけみ先生はいないんだね。

そう考えるとさみしいけど、でもきっと新しいところでも同じように子ども達にも親たちにも笑顔を振りまき、いっぱい話を聞いて、そしてみんなに愛されるあけみ先生でいてくれるはず。


あけみ先生、本当にいままでありがとうございました。
子ども達はみんな、あなたと保育所で毎日過ごせて幸せでした。

今日はそんなあけみ先生と卒業していく子ども達たちを見送る修了式。