薪ストーブと薪

今年もまた薪ストーブの季節がやってきた。
2003年に家を新築して、この家のなにが一番いいか、と聞かれたらやっぱり一番に挙げたいのはこの薪ストーブだ。

その重量感や存在感もいいし、火を付けてゆらゆらと薪が燃えていくのを見るのもいいし、木の燃える匂い、ぱちぱちとはぜる音、じんわりとしたあたたかさなど、最近家を建てた人で薪ストーブを設置しなかった人には「なんで薪ストーブを設置しなかったのか」と小一時間追求したいほどだ(笑)

Stove1
ストーブって置いてあるだけでちょっとカッコイイ…この写真は新築時のもので、現状とはかなり異なります(笑)

朝一番に起きて、少しひんやりしたリビングで焚き付けを組んで火を付ける。
火がついて、ゆらゆらと燃えるのを確認したら次第に大きな薪を入れていき、触媒と吸気のレバーを操作しながら火をあやつっていき、薪の燃えるパチパチという音とともに次第に部屋が暖かくく過程は、まさに癒しと言えるような気がする。

やり方にもよるけど、今とても高価な石油を燃やすよりも経済的だし、この手のストーブは触媒で2次燃焼3次燃焼させることでとても高効率で排気はクリーン、もちろんカーボンニュートラルでエコでもあって、いいことづくめだ。

さて、そんな薪ストーブだけど、燃料はもちろん薪。
もちろん木の種類や乾燥状態により、燃えるときの温度や火の持ち、それにヤニの量などは全然違うのだけど、でも基本的には木であればなんでも大丈夫だ。

そこで今まで主力燃料として使っていたのは、この家を建てた際に出た建築廃材。
人工乾燥をかけてあるので乾燥状態はばっちりだし、無垢のカラマツなのでわりと薪ストーブの燃料には適している感じだ。

ところが4年目になっていよいよ廃材が残り少なくなってきて、さあどうしよう?と思っていたのがこの秋。2007年冬のぶんはなんとかなりそうだけど、2008年冬のぶんはもう無い。

薪の調達には、森林組合から原木を買う、林産家のところに行って原木を分けてもらう、新築現場に行って廃材をもらってくる、などいろいろ方法があるけれど、どれも結構手間がかかる。

原木の場合はそれをチェーンソーで適当な長さに切り、それを薪割りし、さらに1年近く乾燥させなければ薪として使えない。

エンジンチェーンソーはないし、エンジンチェーンソーを買うのは簡単だけど使いこなす自信はあんまり無い。薪割りもかなり重労働。木を運ぶ軽トラも無い。

そして一番の問題はそれをやる時間がまったくない。
今は朝から晩まで子どもらの世話と家事で手一杯で、自分のことができる可能性がある時間は、一日のなかで朝のほんのわずかの時間だけ。もちろんシュフ業には休日もないし、かといってチェーンソーや斧を子どもと遊びながらやるのは危険な感じがする。

…と少し困っていたら、池田町に住む知り合いからメールが来て「薪の配達をはじめたのでどうですか?」とのこと。
そりゃ助かる…ということで、自宅におじゃまして話を聞いたのが先日。
今日はその薪を持ってきてくれた。

Stove3

4トントラックで持ってきてくれたのは、1.2立米の楢(ナラ)の薪。
すべて30センチの長さに切りそろえてあって、もちろん乾燥もばっちりで、すぐに薪として使える素晴らしいモノだ。広葉樹、なかでも楢は薪としては最高で、火の持ちも良いし、燃焼時間も長いし、建築廃材とは大違いだ。

田舎暮らしにおいて、薪は基本的に自分で作るモノであり、出来上がっている薪を買うなんて邪道な感じもするけど、でも我が家はとても助かったし、いつでも連絡すれば大丈夫、という安心感もある。

Stove2

なんにしろこれで今年の薪はバッチリ。
今年もまた薪ストーブが楽しめて、とても嬉しい我が家だ。