一膳の箸

日曜日に産まれた赤ちゃんと妻の様子を見に、一日に何度も家と病院の間を往復している。

赤ちゃんを抱くととても軽くて、小さくて頼りなくてふよふよしているけれど、でもたしかに息をしているし、おっぱいを吸って、
一生懸命生きようとしている。

昨日の記事に書いた「母乳不足感」はもう解決して、妻も赤ちゃんもなんとなく元気になったみたいだ。



さて、出産の日から妻は入院したので、少しの間自宅でハルトとふたり暮らしをしている。

朝起きてご飯の支度をしてハルトを起こし、ご飯を一緒に食べて片づけ、散歩に行ってお見舞いに行って、買い物して…
夕飯食べたらお風呂に入れて、洗濯して…という暮らしだ。

母ちゃんが恋しくて泣き続けたり、夜全く寝なくなったり、お見舞いに行ったら「帰らない!」と主張して大騒ぎして大変な事になるかも、
家でも荒れて大変かも…なんて予想していたのだけど、意外とそうでもなくて、比較的いい子にしている…というのが父子家庭になったハルトだ。

あれー、ハルト意外と大丈夫だねー、なんてとーちゃんとしては安心していたのだけど、
夕食の用意をしているときにハルトが淋しそうな顔をしてテーブルを見ていることに気づいた。

視線の先には一膳の箸。

「どうしたの?」と聞くと、「かーちゃんはし…」とつぶやいて箸を見ている。

かーちゃんいないんだから箸はいらないんだよ、と説明してもやっぱり少し淋しそう。

…そうか。

ハルトは食事のときにかーちゃんがいなくてさみしいのか。

そういえば我が家は「家族全員で食事をする」ということをとても大切にしていて、ハルトが食事をするようになってから、
全部の日の全部の食事をみんな揃って食べている。



ハルトにはずっと前から赤ちゃんが生まれる事や、少しの間妻が留守にすることを話していた。

立ち会い出産もしたからその現場はちゃんと見たし、毎日お見舞いにも行くから病院も知っている。

夜寝るときにおっぱいが無くても泣かないのは、起きてもかーちゃんがいないのに泣かないのは、
きっとかーちゃんが家にいられない理由が彼なりにわかっているから。

箸が少ないのもちゃんと知ってるし、その理由もわかる。

だから泣いたりはしないけど、でもやっぱり箸は少ないんだね…そんな顔だということに気づいた。

お見舞いにいくといっぱい妻に甘えて、でも面会時間が終わるとバイバイと帰る事が出来るハルト。

赤ちゃんの顔をのぞき込んで、不思議そうな顔をして、頭をなでなでしているハルト。

夜ふっと目を覚ましてこっちを見て、ああ、というような顔をしてまた寝てしまうハルト。

2歳児なんてなにもわからない…なんて思うのは間違いで、
ちゃんと彼のレベルで身の回りのことを一生懸命理解しようとしているんだなー。

たった2年前にはハルトだってフニフニの人間だったのに子どもの成長は早いなあ…。

食事の用意をしながら、そんなことを思ってちょっと嬉しくなった。

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生後3日めのベビー

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ハルトも仲良くできそうだ

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こんにちは♪



明日金曜日には妻も赤ちゃんも揃って退院の予定。

ハルトよ、ふたりでかーちゃんと赤ちゃんを目一杯歓迎しようぜ。