息の白さ

朝の駐車場。
パタンと車のドアを閉めた。

…ふと自分の吐く息が白いことに気付く。

いつもの道を歩いていると、なにやら目の前を飛んでいるものがある。

それは雪虫。

北国に、雪の季節が近いことを告げる小さな小さな虫。

手袋をはいている自転車に乗る人の姿も目に付くようになった。

もう冬が近いんだなー。

会社に着くと、部屋の角のストーブが小さな音を立てている。

今年の初雪はいつかなー。
根雪になるのはいつかなー。

この季節になると、日々冷たくなっていく空気の温度に比例して、なんだかとても焦る気持ちになる。

そうだ、そろそろ薪の準備をしなくちゃ。
そういえば、デッキのペンキも塗っていない。
薪ストーブの手入れもなにもやっていない…。

今年はソファを買ったから、模様替えをしなきゃ。
外の水抜きはしたっけな?
チューリップの球根は植えたのかな?
庭木の雪囲いと春先の食害防止、今年はどうするのかな?

雪かきの道具も点検して、長靴を出しておかないと。
車に雪はね道具やブースターケーブル、手袋に懐中電灯、毛布に非常食料なんかを用意しておかなきゃ。
スタッドレスにはいつ履き替えよう?
自転車をしまって、代わりにスノーシューを手の届くところに移動しておかないと。


…本当はそんなに焦らなくても、雪が降りるまではまだ1ヶ月以上あるのだけれど、気持ちが高ぶってしまうのは何故なんだろう。