深夜の夜空

泣きやまない赤ん坊を抱いて、深夜のベランダに出た。

見上げると、月のない夜空は、深い満天の星空。
南東の空には赤い火星。牡牛座やペルセウス座が夜空にまたたいている。
そして天の川。
街明かりもあまり見えず、星空に吸い込まれそうだ。

そういえば夜空を見上げたのなんてひさしぶりだなぁ。

吐く息は白くて、空気はもう晩秋の空気。薄着の部屋着では寒い。

今朝は霜が降りたというし、今朝の気温は氷点下になったところもある。

昼間見る遠くの山々も少しずつ色づいている。

こないだまであんなに暑かったのに、季節は足早に過ぎ去っていき、もう冬目前。

今年もまた秋から冬へ季節が移り変わろうとしている。

どうして月日の流れるのはこんなにも早いのだろう…。

そういえば、昨年のいまごろは妊娠がわかって、来年の今頃は赤ちゃんがいるのかなー、3人家族になるのかなー、なんて思いながら、ここで同じように星空を見たっけ。

あれからたった一年で、たった数ミリだった命はこんなに大きくなって、おかあさんのおなかからもちゃんと出てきて、なにかを訴えて泣いている。
…早いなぁ。

来年の今頃は、もう人間になった息子と一緒に星空を見上げられるかな。見上げられるといいなぁ。

さ、寒いからそろそろ家に入ろう。