北海道を旅する人たち

毎年8月になると、北海道は旅行者で溢れかえる。
自転車に乗るチャリダー、バイク乗りのライダー、わナンバーのレンタカー、たくさんの旅行者を乗せた観光バス。

自分の職場は帯広の中心部に近いので、次の目的地を調べるのか、地図を熱心に見ているチャリダーやライダーの姿を良く見る。
やはり若い人が多いけれど、大型バイクに乗る中年の人も見かける。

いいなー。
夏休みを使って北海道旅行。
どうか、夏の北海道を楽しんでいってください。

自分も大学生時代、この季節にのちに妻となる人と38泊39日という北海道旅行をしたことがある。
お金がないから宿泊はほとんどキャンプ場泊、エアコンが壊れた白い車に荷物をいっぱい積んで、あっちふらふら、こっちふらふら。礼文島がいいと聞けば北を目指し、天気が悪ければ「天気待ち」と称してダラダラと滞在する。
目的地の定まらない貧乏旅行というのは本当に楽しくて、北海道移住を果たした今でも、時々その時のことを思い出す。

そんな経験があるものだから、装備上どうもキャンプ泊中心で長期旅行をしていると思われるライダーやチャリダーを見ると、なんとなく親近感を覚えてしまう。

どこから来たの?どこ行くの?どこが良かった?北海道どうよ?……そして北海道に来てくれてありがとう。

たぶん北海道が好きな者同士、彼らとなんか話してみたいなぁ、なんていつも思う。
逆に自分が旅行者だったら、地元のおじさんに話しかけられても悪い気はしないし、地元の人と話をするのは旅のおもしろさの一つだ。

でも、道ばたのそんな旅人に対してはなんとなく最初の一言がでない。
なんとなく照れくさいし、知らない人と話をするのは好きなんだけど、でもあまり得意ではないので、ついつい腰が引けてしまう。本当は興味津々なのにね。

安全な人?だったら、ウチに泊めてあげてもいいのになあ…。知らない地元人の家に泊めてもらうなんて、いい思い出になると思うよぉ…なんて思いつつも、なかなかそこまで行くのは難しいみたい。まあいろんな人がいるからね。

そんなわけで、今週末は8月最後の週末。
この週末が終わると、めっきり旅行者の姿は減り、いつもの静かな田舎街に戻る。

今年も北海道を旅する季節は終わりのようだ。

この夏北海道に来た人たちは満足してくれたかなー。
満足して帰ってくれたら、そしてまた来年も来てくれたらいいなー。
嬉しそうに地図を広げる旅行者たちを見て、そんなことを思った。