赤ちゃんの写真を撮るコツ -RAWで撮る

デジタル一眼レフを使ってキレイな写真を撮るコツ。
第一弾は「RAW(ロー)で撮る」ことを取り上げたい。
(この手の話に興味のない皆さんごめんなさい)

一眼レフとコンパクトの違いはいろいろあるけれど、このRAWモードが使えるかどうかはとても大きな違いだ。
RAWってどちらかというとプロ向け機能という感じの扱いみたいだれど、しかしアマチュアだって大事な写真はきれいに撮りたいし、楽しく画像で遊びたい。

まずは最初にRAWで撮るとどうなるか…という結果を先に見ていただくことにしよう。

■息子の寝顔を撮ってみた

というわけで早速寝ている温人を撮影。パチリ。
撮ったままの写真がコレ。

<使用前>
raw1

うーん、バックが明るいので露出アンダー、つまり暗めの写真になってしまった。
なんとなく色も青っぽいし、肌色もなんか黒くて汚いし、どうも不健康そうに見える。
実物のイメージとはほど遠い…。

でも実際「ただ撮っただけ」だと、たとえデジタル一眼を使ったとしても、こんな写真になってしまうことは結構よくある。
普通に撮るとこれはこれで終わり。「なんかうまく撮れなかったね」で終了、といったところか?

で、これを後で説明するDPPで調整しながらデジタル現像。
デジタル現像で、露出を+5/6に設定(画面を見ながら調整できます)。
またホワイトバランス(色調)をいじって、赤ちゃんのモチモチ肌の質感がでるように調整。

できました~。

<使用後>
raw2


上の使用前に比べると、赤ちゃんの肌の質感も出たし、光に囲まれている感じの、暖かみがある色調の望み通りの仕上がりになった。スヤスヤ気持ちよさそうに寝ている感じがでて、とても満足(笑)
そう、実物の持つイメージはこんな感じだ。
ブログ上の小さな画像じゃわからないけれど、実際の画像ではポヤポヤの髪の毛の質感も肌の透明感もきちんと再現されていて、とてもいい感じ。

もちろんこれは写真を撮り直したわけではなくて、パソコン上でチョチョイと調整しただけ。
調整というととても難しそうだけど、慣れれば1分もかからないし、こんなにも仕上がりが違うのであれば使わない手はない。

そして実はこの調整、「こんなもんかな~?」「これくらいかな~?」と、いろいろいじるのはなかなか楽しい。
やはり趣味なんだから楽しくないとね。


■そもそもRAW(ロー)とは?

RAWとは「生」のこと。
デジカメの写真は普通、Jpeg形式で記録される。
これは、カメラがとらえた光をカメラの内部でいろいろと変換して、目に見えるファイルとしてJpegとしてメモリカードに記録する仕組み。そのカメラ内の変換の過程で、色を調整したり、明るさを調整したり、圧縮したりといろいろな処理を行っている。

まあ普通の写真で例えれば、ポラロイドカメラのように、カメラ自体で直接「目に見える形」に変換するようなものかな?

一方でRAWとはカメラがとらえた光をそのまま無加工でメモリカードに記録する形式。
ファイル形式はキヤノン一眼の場合「.crw」となる。

これは普通の写真で例えればネガフィルムのようなもの。
だから生成されるファイルはパソコンでそのまま見ることは出来ず、専用ソフトで「デジタル現像」という処理を行う必要がある。

つまり「RAWで撮る」というのは、
・撮影時にRAWモードで撮影し、
・パソコンで調整しながらデジタル現像する
という一連の作業を差すわけ。


■RAWのメリットデメリット

RAWのメリットは、なんといってもパソコン上のデジタル現像時に画像の調整が効くこと。
特に露出補正(明るさ調整)とホワイトバランス(色調調整)が後からできるのは大きい。

写真を本格的に撮りはじめると露出補正がどう…という話に必ずなるのだけれど、RAWで撮る場合は基本的にはそれほど神経質になる必要はない。後からパソコンの画面を見ながら露出量を調整できるのだから。

デメリットは、逆に「デジタル現像」という手間がひとつ増えてしまうこと。
パソコン上で一括jpeg変換とかもできるけれど、しかしそこそこ処理時間もかかる。

それともうひとつは画像データが重くなってしまうこと。
我が家のデジタル一眼(EOS10D)の場合、512MBのメモリカードを使うとjpegの場合、ラージファイン(最高画質)での撮影可能枚数は約170枚。一方RAWだと、1枚7MBくらいになるので70枚前後しか撮れなかったりする。


■DPP

とまあRAWモードについていろいろ書いてきたわけだけど、実はそういう自分もRAWモードを使い出したのは最近で、それまではJpegで撮ってきた。

それではなぜRAWモードを多用するようになったかというと、それはDPPというソフトの存在だ。

DPPというのは、DigitalPhotoProfessionalというキヤノン製のソフトで、RAWデータの参照および、デジタル現像を簡単に行うソフト。(Win2000/XP専用です)

このソフトではデジタル現像のパラメータを「レシピ」という名称で簡単に扱うことができるようになり、動作もサクサクになって、飛躍的にRAWモードが使いやすくなった。

いままでは他人にRAWを勧めることなんて無かったし、自分自身使うことも少なかったけれど、しかしDPPの登場で、キヤノンEOSユーザーには初心者であってもRAWを勧めやすくなった。

EOS-20Dや新型イオスキスなど、最近のキヤノン一眼デジカメには標準添付のようだけれど、持っていない場合はキヤノンサイトから無料でダウンロードできる。
キヤノンデジタル一眼をお使いの皆さんは、ぜひどうぞ。


■やはり一眼原理主義

一見遠回りのように見えるけれど、実は「いい写真」への近道、それがRAWモードだと思う。

まあ撮影時にカメラの撮影パラメータをいじくりまくって調整すればいきなり目的の画像を得ることもできないこともないけれど、それはとても大変だ。

それにとりあえずRAWで撮っておけば、あとでより良いデジタル現像ソフトが登場したとき、そのソフトで現像し直すことも簡単。
この記事ではRAWで撮ってDPPで現像…しか書いていないけれど、実際はカラーマッチングや色空間の話など、デジタル画像処理はとてもとても奥が深いみたい。
でも今はそこまで追求せず、いつかそういうことがやりたくなったときのためにも、今しか撮れないものをRAWデータで撮影しておくこともアリだと思う。

デジタル一眼はただ高いだけじゃなくて、キスデジ等の入門機種でもちゃんとこんなワンステップ上?の使い方にも対応している。(最近はコンパクトデジカメでも上級機を中心にRAWモードが使えるモノもあるみたいだけど)
やはり一眼原理主義は当分やめられそうもない。

これは赤ちゃんの例だけど、理屈は風景写真でもなんでも一緒。

撮影方法はカメラの設定画面で、ラージファインなどを設定するところで「RAW」を選ぶだけ。

デジタル一眼をお使いの皆さん、こんどRAWモードを試してみませんか?