中小企業、男性の育児休暇は取得できるか? 話の始まり編

育児休暇という制度がある。
コレ、子どもが生まれてから1歳になるまで休める…という制度で、法律でちゃんと決まっていている。
女性はもちろん、男性もとれることになっている。

自分は今回、これを取ってみたい…と考えている。
妻のSOHOは10月から復帰する予定なので、それにあわせて10月くらいから。
期間は決めていないけれど、数ヶ月から最長半年程度か?

いちばん大きな理由はやはり、めざましい成長を見せる赤ちゃんの子育てにもっともっと関わっていきたいと思うこと。
一生のなかでいちばん成長する今をしっかり見てみたいし、妻と一緒に子育てに取り組んでみたい。

現実的な話を書くと、サラリーマン夫(IT系エンジニア…と書くとかっこいいけど、実際はプログラム書き、システム設計、運用、サーバー組み立てからプリンタの設定までやる、地味ななんでも屋)よりも、妻のSOHO自営業のほうが平常時は(?)収入が多い…という事情もある。


さて、自分の会社は社員数数十人の地方の中小企業。
当然、男性で育児休暇をとった人なんているわけがないし、就業規定にも記載はない。

事務職の女性では育児休暇を取った人はいるけれど、システムエンジニア職の女性で取った人がいるのかどうかは不明だ。
自分の知っている範囲では、結婚するか、あるいは妊娠すると辞めてしまう。
もしかするとそういう暗黙の了解なのかもしれない。


男で育児休暇、はっきりいって「なに寝ぼけたこと言ってるの?」という感じになるのは目に見えている。
周囲の目とか、復帰後の仕事を考えると、実際に取るのは不可能、という感じもしないでもない。

先日、飲み会の席でチラっと「育児休暇」という言葉を口にしたら、上司は明らかに困った顔をした。

自分は、自社から大手システム会社に派遣され、そこからさらに常駐先に派遣されて、常駐先担当者の指示で常駐先の作業をしている。
常駐先と大手システム会社との関係、大手システム会社と自社との関係を考えると、社員が「長期休暇とらせて」なんていきなり言ってくるのは、彼にとっては都合が悪いのだろう。


本当に取りたい、と言ったら「じゃ辞めて」って言われるかもしれない。

自分自身が会社の利益にどの程度貢献しているか…という「自分の価値」を、自分の売上げと社員維持原価から求めた「利益」という金額ベースで考えると、まあさほど役立っているとはいえず、数値的には抜けたとしてもそれほど困ることはない。
従って、経営的な判断としては、こういう「ウルサイ社員」は早いところ首にしたほうがいいのかもしれない。

さほど多くはないとはいえ住宅ローンもあるし、解雇されるのはちょっと困るけれど、でも「育児休暇取りたいって言ったらクビになる」…と決まったわけではないし、本当にクビにしたら法律上問題があって、法律を盾に会社と争う…という道もある。
まあクビの可能性があることも心の隅に置きつつ、時期を見て切り出してみよう…と思ったのが子どもが生まれた頃。


常駐先は常に新規案件を抱えていて、次から次へとシステムを作る日々。
一応プロジェクトリーダー兼作業員的な立場なので、先頭に立ってシステムの設計や構築をしている。

自分の作業スケジュールは自分が決めており、誰からも管理されていないので、実際に育児休暇を取るとなると、常駐先との話し合いや日程調整は自分がやることになるのだろう。

そこで、いつ話を切り出そうかとタイミングを計っていたのだけれど、常駐先で9月末アップのシステムがいくつかあり、いろいろと慌ただしかったこともあって、「様子見」という状態だった。

ところが、様子見を続ければ続けるほど、どんどん新しい仕事がエントリされていき、待っていてもまったく解決にならないことがわかってきた。

やはり待っていてもダメだ。
行動に出てみないと。


まずは会社の事務方に「育児休暇」の制度について問い合わせるメールを投げてみた。
・会社の制度上、男性の育児休暇はどのようになっているか?(←規定がないのは知っているけどあえて質問)
・手続きの進め方について

第一報は事務方から。
「私にはこの問題は難しいので、調べる時間をください」

そして数日後になる本日、上司から
「育児休暇の件、話があるので時間を作って会社に来るように」

ふむ、文章での回答は避けてきたな。

さて、どうなることやら?

実際、育児休暇がとれたとしても、その後(1歳以降)はどうするのか?とか、二人目が生まれたら?、あるいは完全母乳の場合は父親が家にいてもダメなのでは?今後の収入の見通しや生活費はどうなる?など、この件はいろいろとややこしい。
そんなわけで、この話はまた後日に続きます。