自分の住む地域はブロードバンドが使えない。
現在のところかろうじてISDNが使えるので、一応フレッツISDNで常時接続環境にはなっているけれど、通信速度は64K。ブロードバンド風に表記すると、わずか0.064Mだ。
家の中は家庭内LANが全部屋にあって(トイレにだってLAN端子)、有線のほか無線LANも併設。
それなのに、家からインターネットにつながる線は64K…。
そこにふたりの人間がぶら下がり、タブブラウザでたくさんのページを同時に開き、頻繁にメールをダウンロードしたりウェブを見たりするものだから、もう遅いのなんの。
せっかく年1回ペースでパソコンを最新の高速なものに換えていっても、ネットに関してはほとんど意味がない。
まさに、とほほ状態。
それでも昔はあまり問題なかったけれど、最近はいろいろと状況が変わってきた。
たとえば、デジカメの高画素化に伴うメール添付ファイルの巨大化。(SOHOは画像がメールで送られてくることが多いのです)
たとえば、フラッシュや画像をたくさん使ったページの数々。
SOHO事業の上で参考にすべき事項を調べるときも、やはり昔に比べて容量の多いページが増えてきたような気がする。
昨日の記事の北海道ホテルもそうだけど、最近は宿泊施設でも部屋でブロードバンドが使えるところが多く、旅先のほうがネット環境がいい…という場面が多くてがっかりだ。(昨年稚内の近くの豊富温泉というところに泊まったときも客室内で無線LANが使えて衝撃を受けた)
それで「使えねえよ!」と文句ばかり言っていても仕方がないので、一昨年の夏祭りでブロードバンドを誘致しよう…と地域の人々に話をして回り、会とメーリングリストを立ち上げて、情報収集や役場・NTTへの働きかけ等も行った。
そのときにいろいろ話をしたところ、結局以下のような感じ。
・ADSLはNTTの設備の技術的な問題で実現が難しい。
・光は、100軒ほど(だったかな?)申し込みが集まれば検討する。
…って世帯数全部でも100軒もないんですけど。
・無線LANを使う民間サービスがあって、問い合わせたところ40軒集まれば…という話。
最終的には「実現望み薄」ということになってしまい、活動は休止状態だ。
結局は、こんな農村地帯に投資してブロードバンドを開通しても、採算が合わない…そういう判断なのだろう。
しかし周りを見回すと、小中学校をはじめ、ネットも結構使うのではないかと思われる出版社、SOHOでネット専門で事業をしている事業者(うち)、ネットを主な通信手段としてSOHOしている方(設計屋さん・作曲屋さん)、ネットでパンを売りたい…と希望しているパン屋さんなど、ブロードバンドの需要はけっこうあるような気がする。個人ページをアップしている人も多い。
この地域をIT先駆地にしよう…なんてことを言う人もいる。
ネットで生計を立てる人は今後も増えてくるだろうし、これからネット上のサービスがどんどん充実し、例えばネット通販、動画配信、IP電話、電子書籍など、農村地帯にこそ欲しいサービス群が今後ますます登場してくる。
また今自分の職場はVPNといって、外部からの接続で社内仮想LANが使える機能が実装されている。
これを使えば、いまサラリーマンでやっている仕事のほとんどは自宅で可能になり、いわゆる自宅勤務が実現する。なにも怖い思いをして毎日凍結道路を通勤しなくてもいい…というわけだ。
しかしブロードバンドが使えない、という理由で、実際には実現していない。
(実際にはブロードバンドが開通しても、すぐに自宅勤務というわけにはいかないだろうけど)
つまり農村地帯こそ、むしろ都会よりもブロードバンドが必要なのではないか。
電気や水道や電話と同じレベルで、ブロードバンドが全国どこでも使えるようになって欲しい、と願うのは田舎に住む自分だけだろうか。
ちなみにこれから期待できそうなサービスとして、衛星を使ったインターネットがある。
2003年にあーでもないこーでもない、と言っていたときは「まだずいぶん先」という印象だったけれど、なんともう衛星自体は完成しており、今年中には打ち上げとのこと。
http://www.jaxa.jp/missions/projects/sat/tsushin/winds/index_j.html
その後実証実験を行い、そして商用サービスと進むようだけれど、うまくいけば2~3年後には衛星によるインターネット接続ができるのかも、ということでとても期待している。
はやくこいこいブロードバンド。
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