「四つ葉屋根の家」と呼んでいる我が家は、屋根を緑化している。
つまり屋根の上に土を載せ、そこに植物を植えている…ということだ。
屋根の上には一面の緑、それはクローバーの緑。
だから「四つ葉屋根」というわけである。
鉄骨やコンクリート造では見ることがあるし、首都圏ではビル屋上緑化などが増えつつあるようだけれど、木造の個人住宅ではほとんど見たことがない。
四つ葉屋根の家は新築時に新聞記事にもなったし、雑誌の取材も受けたし、見学バスツアーもやってきた…ということで、かなり珍しいものなんじゃないかと思う。
当時、緑化屋根に関する情報はほとんどなく、ネットを見てもほんの少しの施工例が載っている程度で、情報の不足をとても感じたものだ。
でも実際に施工してみると、なにも問題はないし、雰囲気的にはとてもいい感じで、個人的にはとても気に入っている。
だからもっとみんなに緑化屋根を広めたいし、そのために情報発信をしていきたい。
そこで何回かにわけてこの緑化屋根について書いていきたいと思う。
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緑化屋根との出会い
私たちが緑化屋根の家を初めて知ることになったのは、平成14年に地元帯広で行われた秋田の建築家・西方里見氏の講演会。
当時自宅の新築を考えていた私たちは、偶然新聞で告知されていたセミナーを知ることになり、軽い気持ちで講演会に参加した。
講演会は主として建築業界向けの内容だったが、西方氏の設計したエコロジー住宅や自然との共生を目指した住宅のほか、西方氏自身のアトリエである緑化屋根の建物が紹介され、それはひときわ目を引くものであった。
屋根一面が草に覆われ、そこには四季折々の花々が咲き乱れる…。
春、夏、秋、冬と季節毎に違った表情を見せる屋根。
建築費も、普通の屋根と特に変わらずむしろ安いくらい。
築11年経っても特に問題はないこと、断熱効果の上でも屋根面に草を生やすのは効果があることなどを聞くにつれ、興味は深まるばかり。
家に帰り、さっそくインターネットで検索してみると、まだまだ小数ではあるものの、緑化屋根を取り入れた工場や事務所などの例が出てきて、なかなか魅力的。
ネットで見つかった書籍を何冊か読むにつれ、興味は深まるばかり。
なんといっても、頭の上に毛の生えたような緑の屋根が持つ雰囲気がとても素敵だ。
しかしこの時点では「いいなー」とは思うものの、まだ自分の家が緑化屋根になることなど、現実的な案とは思っていなかったように思う。
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