自宅新築にあたって、私たちは2社に本見積もりを依頼した。
住宅の価格を示す見積もりには2種類あって、私たちの場合は1社が「坪単価型」もう1社が「明細型」だった。
「坪単価型」は標準仕様が決まっていて、単に施工面積に坪単価をかけたものが本体価格、そこにアレンジやオプションを追加していく形の見積もりだ。
見積もりは非常にわかりやすく、広さと価格がだいたい比例する…というのが特徴。
ただし「標準仕様」の範囲が会社によってマチマチなので、見かけ上の坪単価の大小だけで比較できない。
見積書は比較的ページが少ない。
「明細型」は木材の材料ならなんという木が何本(何立方メートル)でいくら、大工手間はいくら、釘はいくら、足場はいくら…という感じの細かい見積もりを総合計して出す形の見積もり。
工務店経費という項目もあって、彼らの主張ではそれが工務店の利益だという。(実際には他項目にも利益を乗せるのが普通なので、工務店経費=利益総額というわけではないらしい)ページ数はとても多く、数十ページに渡るものになる。
どちらが良い…というわけではないが、感覚的には「坪単価型」のほうが比較的やり方としては新しいような気がする。たしかに「坪単価型」は直感的に理解しやすく、広さで値段が決まる…というのも合理的だ。
ただ個人的には「明細型」のほうが、個々の材料がよくわかり、なにをどう差し替えるとどう価格に反映するかわかりやすいので良いと感じた。
「坪単価型」の工務店に言わせると、『テレビを買う際に部品のひとつひとつをチェックする人間がいるだろうか?「明細型」は消費者が見てもわからない項目を書いてわかりにくくしている』…という主張であるが、それは消費者をちょっとバカにしているような気がするがいかがだろうか。
そもそも耐久消費財のテレビと家を同列に扱うことに無理があるような…?
むしろ「坪単価型」の見積もりは、単に見積もり自体の手間を下げるための工務店側の都合のような気もしないでもない。
そもそも坪単価型といっても、住むために絶対に必要な項目までもオプションになっていたり(特に気になったのは屋外給排水工事が別途であること。しかも水道工事店に直接工事してもらうよりも何故か相当に割高だったり)するので、坪単価で他工務店と比較することはできないし、坪20数万円って言って「うわっ安い!」とも言えないのが普通だと思う。
じゃあ「明細型」だったら良いのか…というとそれはそれでやっぱり見ても判らない項目はいっぱいあるし、やはり結局は総額欄を見る、ということになってしまうのも事実。
結局家の値段というのはわかりにくいものですね…という結論になってしまうが、やはり消費者としてはそう言わざるを得ない。
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