お風呂にとことんこだわる

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私たち夫婦はお風呂に入るのが好きだ。

身体さえ洗えれば風呂なんてどうでもいい…という考え方があるのはわかるけれど、私たちにとっては風呂タイムは一日のなかで楽しみな時間だし、一番リラックスできる時間だ。

だから風呂にもこだわりたい…と考えた。


できれば木の内装。そして足を伸ばして入れる大きな浴槽。

風呂に入りながら庭の緑や遠くの日高山脈の景色が見たいし、空も見たい。
従って、風呂の位置は家の中でいちばん良い位置、つまり南側で決まりだ。

当然、浴槽からでも外が見えるほど大きな窓が付いている必要があるだろう。
そして誰がなんと言おうと、風呂のガラスは透明。

風呂の機能にはあまりこだわらないが、温度調節シャワーと追い炊きくらいはできたほうが良いだろうか。
もちろん浴室テレビなどは必要ない。


さて、風呂の作り方だが、ユニットバス、つまり浴槽から洗い場、天井まで一体のユニットになっている形のものを設置するのが一般的な現代住宅だ。

その一方、在来工法とでもいうか、左官屋さんや大工さんが床や天井などをそれぞれ作るものもある。


私たちの家は「木の家」なので、できれば浴室内装も木張りにしたい。
でもやはり水を使うところなので、メンテナンスを考えると、やっぱりユニットバスも捨てがたい。第一コストが全然違う…。

そこで建築家佐藤さんからの提案。
それはハーフユニットとでも呼ぶべき、半分ユニットバスになっている風呂だ。

INAXのカタログで見つけたそれは、人工大理石の浴槽と洗い場床、床から40cmほどまでがユニットになっている「下だけ」のユニットバス。ユニットとはいえ、ヒノキのすのこが床になっていて、四つ葉屋根の家の雰囲気にもぴったり。
1.25坪タイプなので、まあ広いほうだと思う。

壁と天井は、秋田の建築家西方さんの親戚?から譲り受けた青森ヒバ。
なんだかとっても良いところを送ってくれたらしく、節ゼロの素晴らしい木材だ。
このヒバ材、建築中からとても良い香りを発している。


そしてこれは自分の思いつきなのだが、風呂の照明スイッチを調光式スイッチにしてもらった。
夜に入浴するときは、気分によって明るくしたり、またほとんど真っ暗になるほど暗くしたりする計画。

また別項で書く予定だが、四つ葉屋根の家は「夜の暗がりを楽しむ」というテーマもあるので、その一環でもある。


そんなこんなで完成した風呂は、はっきりいって素晴らしいの一言。
ほのかに香るヒバの香り、やさしい雰囲気の桃色の人工大理石の浴槽。暖かい白熱球の照明。
もちろんイスや洗面器も木製のものを買ってきた。

大工さんも「こんな風呂初めて作った」と言ったけれど、建て主の私たちとしても、特にお気に入りの空間になった。

星がきれいな日は、照明を落として窓に目をやると、ちょうど遠くのカラマツ林が夜の空に浮かび上がり、広がる空には満天の星空と天の川を見ることが出来る。

月明かりのきれいな夜は窓から差し込む月あかりの下で身体を洗うのも風情がある。

冬にしんしんと降り積もる雪を見ながら風呂に入るのも、晴れた日に流れる雲を見ながら風呂に入るのもまた格別。
ぬるめの風呂に入りつつ、外を見ながらうとうとするのも幸せな時間だ。


浴室の照明を調光式にする…というアイディアは我ながら素晴らしいと思っている。
なぜ浴室照明の基本仕様ではないのか不思議なほどだ。

これから家を建てる人には、ぜひぜひお勧めしたい。
照明スイッチを調光スイッチに変えるだけだから、追加コストも数千円ではないだろうか。

ぼんやり暗いお風呂で、ぬるいお湯にゆっくりゆったり風呂タイム。
今日もお風呂に入るのが楽しみだ。