地元の木で家を建てる…もともと日本人はその土地固有の木で家を建ててきたそうだ。
ここ十勝は少し郊外に出ると山がいっぱいある。もちろん林業も盛んである。
しかし現在、林業は深刻な状況だという。
その原因が、木を切って売ってもたいしたお金にならないことと、輸入材の台頭だ。
これまで見てきた住宅もドイツ等から輸入した集成材の利用が多い。
木材の産地に住んでいるのに、なぜ遠くヨーロッパから木を運ぶのだろう?
そんななか「木の家に住むことを勉強する本」という本を見つけて読んだ。
木材のこと、木造住宅の仕組み、林産地のレポートまで多岐に渡り、非常に興味深い内容だった。
代々森を守り、林を守って生きてきた人たちが日本にはたくさんいること。国産の木材を使う人が減って、国内の林業が厳しい状況にあること。世界の木材の多くを日本が輸入していること。家の価格に占める木材の割合はとても低く、国産材を利用しても家全体のコストへの影響は軽微であること。
さて、十勝には防風林をはじめとする独特の景観があって、この景観の主役となっているは「カラマツ」である。
カラマツは日本で唯一紅葉する針葉樹で、秋の紅葉は何物にも代え難い美しさがある。
カラマツは戦後、将来の木材として注目された時期があって、積極的な植林が行われ、それらの木が伐採適齢期を迎えている。この戦後の政策が正しかったかどうか…という話はともかく、現在の十勝はカラマツの木でいっぱいである。
現在のカラマツの用途はおもにチップや荷物運搬用パレットの原料になる程度であり、あまりいい評価を得ていないのが事実。
木としての性質は成長が早く、節やねじれやヤニが多くて住宅には一般に不向きである…とされており、住宅への利用はあまり進んでいない。
しかしここ数年、このカラマツを住宅に使おう…という動きがあって、十勝の先駆的な工務店が取り組んでいることを耳にした。
さっそくカラマツを使って家を建てている業者の話を聞いた。
彼らの話によれば、カラマツも人口乾燥をかけ、適切な処置をすることでねじれは克服できるという。
色が赤く好みが分かれるところではあるが、節の多さと合わせてこの木が持つ「味」であり、それはその木の個性であって、自分たちはいいと思う。
気になる価格は、なんと輸入材と同じかやや安いくらいだ。
そう聞けば、こんな地元のカラマツを使わない手はない。
そんなわけで、私たちの家造りは当初から「カラマツの家」に限定され、進められることになった。
HRS
こんばんは、またお邪魔します。木にはとても魅力を感じますね。なんとなくですが、人は木のそばで生きていくべきじゃないのかな~と思うのです。
兼業主夫
HRSさん、こんにちは。コメントありがとうございました。
木の家が気持ちいい、というのは、人間(日本人は?)は昔から木の家に生きてきた記憶があるからだと思うんですよね。遺伝子に組み込まれている、そんな感じがしてます。
また木には調湿作用もあるし、さわっても冷たくも熱くもないし、安全性も高い…ということを本能的に知っているのかも…。
コンクリート打ちっ放しとかもシャープですが、やはり自分は木でできたものに魅力を感じます。
HOOP
はじめまして。カラマツで検索してこちらにお邪魔しました。
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