カッコイイ妻

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うちの妻はカッコイイ妻だ。

社会的立場を説明するとすれば、いち個人事業者。つまりひとり自営業だ。
顧客からのオーダーで絵を描いて、それを商品に組み込んで販売している、製造業兼販売業。

もともと「絵を描くのが好き」という要素があった。
よく絵を描いていた。パソコンも使っていた。

ここまではよくあること。

しかし、それをビジネスとしてのレベルにまで高め、職業として生きていけるようになる…となると話は別である。それ系の学校等を出たわけではない。絵に関する専門教育も受けていない。

誰もやったことのないことを仕事にし、お金をいただく難しさ。

でも誰かのマネをするのはやめよう。マネされる存在になろう。

手探りで始めた事業、いっぱい失敗もしたし、お客様に泣かされることもあった。
最初から順風満帆ではなかったけれど、今では多くの人々に信頼され、頼りにされている。
ほとんど広告したり、自分から営業したことはないのに、お客さんの多くは「○○さんから」と口コミでやってくる。
それは彼女が作る商品が本当に役に立つモノだからに他ならない。


業界の雑誌では特集されたこともあるし、テレビに出たこともある。
NHKから出演依頼を受けたこともあるし、本や新聞で紹介されたことも1度や2度ではない。

たまに「趣味でやっているの?」という人がいるけれど、それは大きな誤解で、顧客数は全国に数千というレベルだし、収入だってシステムエンジニアの自分より多い。税金だって「ええっ!?」と驚くほど納めている。


でもそれはひとつの側面でしかない。

となりにいるからわかる半端ではないプロ意識の高さ。
やりすぎでは?と思うこともあるほど、魂を込めた商品の数々。

自分だけができること、自分にしかできないことで、人の役に立っている。
社会のなかで自分だけができる役割を自分で作り、その道を自分でしっかり歩いていること。

それが妻のカッコよさ。

人に使われてる人と、使われていない人の違い。

小手先の言葉などではなく、正しいことは仕事で証明するさ。
彼女はそういって小さく笑う。

そんな彼女のチカラになりたい。
自分の兼業主夫としての原動力はそんなところにあるかもしれない。