「いつもの風景」
今年も間もなく終わり。振り返ってみると、今年はさまざまな災害を通して家族のあり方があらためて問われた一年だったと思う。
家族ってなんだろう。どうして僕たちは夫婦で、何のために子どもを育てているのだろうか。なぜこうして家族として生きているのだろうか。
保育所からの帰り道。十勝の冷え切った空の下、いつものように子どもたちが歓声を上げて楽しそうに走り回っている。雪山に登ったりジャンプしたり、お相撲ごっこをしたり。彼らはただ自分たちが楽しいと思うことを純粋に楽しんでいる。
平穏な日々が当然ではないことが分かってしまった今年。当たり前の幸せなんてないのかもしれない、ということも分かってしまった今年。
私たち大人が子どもたちの未来のためにできることはなんだろう。私たちは子どもたちに何を伝えられるんだろう。震災の後に生まれた小さな息子を抱きながら、そんなことを考える。
どうか新しい年が子どもたちにとって、そして世界中のすべての家族にとってすてきな一年でありますように。皆さんよいお年を。
(子育て主夫・芽室)
北海道新聞「朝の食卓」
2011年12月31日掲載ぶん。これが当コラムの僕の最終稿となりました。
北海道新聞を読んでいただいていたみなさん、本当にありがとうございました。
どうぞよいお年を。