犬のおくさんとガン

我が家には雑種の白いメス犬がいる。
名前は「おくさん」。北海道に来てすぐ道北の牧場からもらってきた犬で、父親は「ながし」という正真正銘の雑種。

病気にも全然かからず、悪さもせず、いつものんびりとのんきにしているやさしいワンコだ。

そんなおくさん、先日おなかに謎のこぶがでてきてしまった。
何年かぶりに動物病院に連れて行ったところ、これは腫瘍で良性と悪性、つまりガンの確率は半々…ということで、その場で血液検査とレントゲン、そして切除の手術の日程が決定。

その後手術はうまくいったけれど、検査の結果は悪性腫瘍、つまりガンだという。
これからどういう治療方針で進めていくか獣医さんと相談していくことになる。

おくさんは2000年のあたまに生まれたので、もうすぐ12歳だ。
今回ガンになってしまったし、そうでなくても犬の平均寿命を考えてみると、実はおくさんと家族でいられる時間はそんなに残っていないのかもしれない。

いつも元気に走り回っていて、人が大好きなおくさん。
不妊が長かった我ら夫婦のとなりにいつもいてシッポをぶんぶんまわしていたおくさん。

手術が終わり、元気のなさそうな顔を見ているとやっぱり心配だ。

明日は今日と同じようにやってきて、いつまでもみんな楽しくやってけるような気がするけれど、それはきっと気のせい。

子どもたちと無邪気に遊んでいる様子を見ていると忘れてしまうけれど、命にはやはり限りはある。
人間もペットも永遠には生きられない。

おくさんが残りの犬人生を楽しく生きられるように。

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手術前のおくさん