昆布刈石

CRW_3533

昆布刈石を目指して車を走らせた。
…この場所が好きだ。

そこは建物も、電柱すらもない、なにもない海沿いの砂利道。
海と空が溶け合って、その境界線ははっきりしない。
はるか下から、波音と鳥の声だけが聞こえてくる。
…誰もいない。
すれ違う車もない。
いつ行っても霧に包まれているこの場所に車を停めて、妻と無言で道路を歩いた。