天井なしといっても、空が見える家…というわけではなく、天井の仕上げがない、つまり2階の床の裏側がそのまま見えている家。私たちの家はそんな家だ。
木の太い梁が見えていて、2階の床を支えている。
地元十勝で辛い雪に耐え、太陽の光を浴びて70年も生きてきたカラマツの木。
そんな木が、大工さんの技で新しい命を吹き込まれて、いまこうして家の一部となって文字通り私たちの生活を支えている。
そんな木の感触、暖かさ、そして力強さ。
こんな家の造りを、私たちはとても気に入っている。
写真は1階のSOHO仕事部屋。広さは13畳ほど。
のぺっとした天井ではなく、凹凸があることで、天井に表情を与えている。
床はカラマツ無垢、柱などの構造材もカラマツ無垢(一部梁は集成材)、壁についてもこの部屋に関してはカラマツの合板だ。
天井仕上げは無し、つまり天井なしで、30ミリ厚の2階床である無垢板がそのまま見えている。
つまり、上から下まですべて近くの山から切り出したカラマツづくしの「木の仕事部屋」だ。
私たちの家造りでは、はじめから柱・梁などの構造は隠さない、できるだけ木の部分が見えるように作る…という基本方針だったので、通常の家の作り方のように、この上から石膏ボードを張り、そこに壁紙を貼る…という作り方は見積もりすらしなかった。
天井材が必要ないだけコストダウンになった…と思っていたけれど、大工さんによると、実はこの作り方のほうが手間がはるかにかかり、コストダウンどころか総額ではコストアップだそうだ。
すべて見えてしまう以上、美しく作る必要があるから大変だよぉ、ということらしい。
ちなみにこの造りでは2階を歩く音は、そのままダイレクトに下に響く。
2階で犬がトコトコ歩いて窓のほうに行った…とか、今度は座布団に寝そべった…なんてことが、手に取るようにわかるのがこの家。
この部屋で仕事をする妻は、台所で食事を作る夫の「ご飯を作る音」を聞くことができるし、逆も同じだ。
我が家の夫婦観・家族観では家族の「個室化」よりも、ゆるくつながる、みんなの気配が感じられる家を目指したので、これはこれで都合が良い。
もし家族構成や価値観の変化で、音が響くことがダメになった場合は、改めて天井を施工すれば良い…というのが私たちの考えだ。
私たち夫婦はいつも同じことをしていることが多い、つまり家の中でも同じ場所に居ることが多いし、それが心地よい…と感じる夫婦だ。
そして、木の家に住みたい。それも地元産の木を感じられる家に。
だから家もそんな価値観に合わせた造り。
たかが天井をどうするか…ということだけでも、そんな住む人個人に合わせた仕様というものがあることに気付く。
…だから家造りはおもしろい。
ヴィーノ・ロッソ
いがさん、こんばんは。
こういう天井って好き嫌いが分かれますね。
僕は結構好きですが、妻は床も壁も天井も全面に木というのは嫌いのようです。
それにしても、あまりコストダウンにはならないんですね。30ミリ厚の無垢材はどっしりしてそう。
確かに音はもろ響きそうですね。
アパートのように知らない人の足音だとしたら我慢できないけど、家族のお互いの気配が感じられるというのはいいことかも。
いが
ヴィーノ・ロッソさん、こんにちは。
ホント好き嫌いが分かれます。実物を見た人でも、イイ!という人と私たちはちょっとね…という意見がありました。ま、なんにしても知らないことには選択もできないので、こんん方法もあるよ…ということで(笑)
30ミリ厚というのは、床下の構造を簡略化するためにそうしているそうです。
音ですが、豪快に響きます。温熱環境的に1階と2階を一緒にするためにガラリが開けてあるのでなおさらですね。これも好き嫌いが分かれそう(^^;;