冬の然別湖

然別湖(しかりべつこ)が好きだ。

この湖は、湖畔に2件の温泉ホテルがあるほかは建物や人工物がほとんどない。いつも静寂な森に包まれていて、なにもないのだけれど、そのなにもない雰囲気がとても好き。

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↑然別湖までもうちょっと…という場所での一こま。

移住以前からよく来ていて、移住を決めたときにもここに滞在していたし、移住して「となりまち」になった今でも、やっぱり好きな場所。
春の新緑、夏の緑、秋の紅葉も素晴らしく、そして冬の凛とした空気もまた魅力的。

移住してからは毎年、冬のこの時期に行くのが恒例になっている。
昨年は風水というほうに行ったので、今年はホテル福原へ。2件はとなりだけれど泉源が異なり、どちらもとてもいい温泉。それぞれ甲乙つけがたいので、毎年交互に行くことにしている。

移住以前は遠い然別湖だったけれど、移住してからは車で1時間ほど。その近さも魅力に加わった。

冬には厚く氷の張った氷上に然別湖コタンという「村」が登場し、混浴氷上露天風呂や氷でできたアイスバー、スノーモービルやスノーシュー、クロスカントリースキーのツアーなども行われている。
先日は氷でできたアイスチャペルで結婚式も行われたそうだ。
詳しくは然別湖ネイチャーセンターのページからどうぞ。

今年は妻が妊婦なので、身体を動かす遊びはやめ、氷を削ってグラスを作るアイスグラス作りに挑戦。15cm角の氷をノミでガシガシ削り20分ほどで完成!

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夜遅くにはアイスバーがオープンし、昼間作った「マイグラス」でお酒を飲むこともできる。氷だけでできたアイスバー、2階建てで相当広く、かなりの代物。毎年毎年、どんどんとバージョンアップして、この建物を見るのも楽しみのひとつだ。

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コレ、中身はブランデー。オンザロックならぬインザロック(笑)
もちろんテーブルもイスもなんでもかんでも氷でできている。
こちらは右はカシスオレンジ。左は妻作成のジョッキ風グラスにグレープフルーツジュース。
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氷のグラス作りのほかは特になにをする…というわけでもなく、ぼーっと部屋から湖を眺めたり、温泉に入って疲れて寝て、起きて温泉に入ってまた寝て、飯食って酒飲んで寝て、朝起きてまた温泉入って…と、文字通り脱力したなにもしない休日。

本州からツアーで来たという知らないおじさんと露天風呂で話し込んだり、何人だかわからない外国人(アジア人)と話そうとお互い片言の英語で接触を試みたりするのもなんだか楽しい。

この然別湖、北海道の冬というと寒くて寒くて…という印象なのに、この寒さを逆手にとって、寒いのを楽しもう!という発想が素敵だ。

ガイドセンターやホテルのスタッフによると、お客さんのほとんどは本州の人と外国人(香港や台湾、中国や韓国)だという。他にもいろいろと楽しいところがあるだろうに、こんな遠くて寒い北海道に来てくれて本当にありがとう!

しかし道内の人はいうと、たまに札幌などの人がいる程度で、我らと同じような地元はほとんどゼロだそうだ。地元の人は「寒くてイヤ」って言うんですよねぇ、とはガイド氏の言葉。うーむ、なんだかもったいない…。

そんなわけで冬の北海道なんて寒いだけでしょ?というみなさん、それは誤解ですぜ。スキーやスノボー以外にも、こんな楽しみがいっぱい。
ぜひ冬の北海道にもお越しを!